2018.12.28

TANGO OPENのブランディングの考え方、デザインについてご紹介します

~現状に即した新しい冠を~
TANGO OPENのブランディングの考え方、デザインについてご紹介します

 

ブランディングの考え方

 

「丹後ちりめん」という呼称から連想されるのは、“正絹100%”や‟全面に細かい凹凸状のシボのある生地”“生地巾30cmほどの和服用の反物”というイメージではないでしょうか?一方で、現在の丹後織物工業組合が製造する商品の中には、ちりめん織りの伝統技術を背景に、新しい考え方やデザインを導入し、技術革新を続けて生み出された新しい布地もみられます。そして、それらは和服だけでなく、洋装その他にも展開できる可能性をもち、国内外の名だたるブランドからも高い評価を受けています。
こうした、「丹後ちりめん」のイメージの枠にとどまらない商品も多くなっているいま、それらを世界にアピールしていくにあたり新たな冠が必要だと考えました。そこで提案するのが「TANGO OPEN」です。

 

_なぜTANGO OPENか?
「TANGO OPEN」は、和服の「丹後ちりめん」と共存するブランド名でもあり、また決意表明でもあります。ちりめん織りの伝統を背景に、技術を磨いて生み出した製品が、世界に通用するものであると自信をもって送り出すための、力強いメッセージなのです。OPENという言葉には、“始まり”という意味があります。そして日本から世界へと道を切り開く、また、世界に向けて開かれた姿勢をもって、新しい価値観を受け入れていくという双方向のコミュニケーションを促す意味も込められています。丹後はもともと丹波国の一部であり、丹波は波(たには)からきているという説があります。「丹」のルーツが「旦」であることから、“日の出”や“始まり”の意味とリンクさせました。「丹後から世界へ、そして世界から丹後へ」という意味を表すには、文法上は「OPEN TANGO」が正しい表記となりますが、あえて「TANGO OPEN」としました。作り手たちが丹後という地名に誇りをもてるようにとの強い思いを込めているためです。

マーク、ロゴの展開、デザインについて

 

_TANGO KYOTO JAPANで“住所”表記を
当面は「TANGO KYOTO JAPAN」という表記とセットで展開していくことを想定しています。「TANGO KYOTO JAPAN」は、いわば“住所”です。JAPANやKYOTOはすでに世界中の人々が知っています。この表記によってTANGOが日本の京都の地名であることが理解でき、素晴らしい布地がどこからきたものなのか、世界中の人々に伝えることができます。マークや「TANGO OPEN」は、ゆくゆくは単体でも展開していけるように、商標として登録できるかどうかを考慮してデザインをしております。

 

_マークのデザインコンセプト
四角は布を表しています。また、OPENの「O」や世界への開かれる「扉」でもあります。この四角は、古代エジプトで生まれた黄金比と、日本人に馴染みの深い白銀比から作図しました。黄金比=世界の象徴、白銀比=日本の象徴として、両者を重ね合わせて表現いたしました。四角と組み合わせたのは「/(スラッシュ)」です。区切りの意味に加え、右肩上がりのポジティブなイメージも重ねました。また、「旦」の字をモチーフにもしており、角度を変えて見ると日の出のようにも見えます。 マークのデザインは、できるだけシンプルで、覚えやすいものを目指しました。かといって他のものと似ることなく、商標登録も可能なデザインである必要があります。両者のバランスを考慮して設計しております。シンプルなマークにしたことで将来的には布地以外にも使うことができるマークとして機能します。たとえば丹後の宿、食、レジャーなどの魅力を、「TANGO OPEN」ブランドとして発信していくことが可能です。

 

_表記:TA NG ° OPEN
丹後の地名をアピールしながら、「GO OPEN」というポジティブなキャッチフレーズも読み取ることができる、バランスのとれた表記案です。 「TANGO KYOTO JAPAN」の“住所表記”と一緒に目にすることで、地名の丹後と、「GO OPEN」の両方がかけられた言葉であると気づくことができます。ここでポイントとなるのは「TAN」と「G °」の間のわずかなスペースです。スペースを空けすぎると、「タンゴ」とすんなり読んでもらえず、地名のアピールとしては弱くなってしまいます。また、TANには「ひっぱたく/革などを鞣す」という意味があり、英語を理解する人たちにはそちらの意味に引っ張られてしまう可能性もあります。「TAN」と「G °」の間の微妙なスペースにより、「丹後」と「GO OPEN」のどちらの意味もキャッチできるように設計しています。また、このことにより商標登録がしやすくなるというメリットもあります。

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